トンステール

Tempestarie

地域・文化:フランス


 フランスにおけるテンペスタリイのこと。というか、Tempestarie(Tempestaire?)をフランス語読みするとトンステールになる。トンステールは邦訳ピエール・デュボア『妖精図鑑』におけるつづり(フランス人がトンステールと言っているかテンペスタリイと言っているかは不明)。ここではフランス系のテンペスタリイをまとめてトンステールとする。

 気象を自在に操る魔力を持つ存在。おそらくキリスト教以前は普通の天候の神々だったのだろう。~ 民間伝承のなかには善性のトンステールもいれば悪性のトンステールもいる。しかし人々の対応によってその性質を変えるトンステールが大半である。農民たちは基本的にこれらの大気の精霊を尊敬し、小さな櫛や食物などのささやかな供物をささげ、彼らを信頼していた。そしてまた、トンステールたちを怒らせてしまって雷雨や土砂降り、嵐や雹などにによって作物が台無しになることを恐れてもいた。たとえば、アルザスではこのような精霊に対してはブランデーを捧げるのが賢いやり方だとされていた。この精霊のヨーデルによって雷雨が引き起こされることがあるからである。その雨は人々の気を滅入らせるものだった。

 中世の記録のなかにあるテンペスタリイは天空のマゴニア人を助ける魔術師とされていたが、トンステールたちは巨人と考えられていたらしい。フランスではロージュ、パトー、バラブロックのような嵐の巨人の名前が知られている。

 トンステールたちは、エンパロやトゥラガなどの天空の領域にある雲の城、大気や風の中に住んでいる。風そのものだと考えられることもあった。

関連項目


参考資料 - 資料/147:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:39:13