ナハトメーダー

Nachtmähder

地域・文化:スイス


 「夜の刈り手」。別に妖怪の固有名詞というわけではない。
 昔、ネーフェルスの下の村の、みごとな牧草地と果樹園の中に数件の農家の家があった。しかし彼らはそれを感謝するどころか日々喧嘩をして怒ってばかりいた。その中でも最も一番意地の悪い男が死んでしまい、彼の財産は無意味なものとなった。
 彼が死んで以来、夜になると小さな光がチラチラ動き回るのが見られるようになった。時々稲妻のような光を放ったが、まるで月の光を鎌が反射しているようだった。そして夜が明けると、牧草地には草がきつく結わえられて一束にまとめられていた。しかしこの「夜の草刈り」を見たものは誰もいなかった。というのも、現場に近づこうとすると、草刈が終わるまで、ものすごい力がその人間を大地に押し当てたからである。
 この草刈り手は先ほど死んだ強欲男であろうと言われたのは当然のことだった。しばらくして男は罪滅ぼしがすんだのか、光が見えることはなくなった。

関連項目


参考資料 - 資料/115:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:23:14