ハルピーン

Harpîn

地域・文化:ドイツ


 中世ドイツの作品ハルトマン・フォン・アウエ『イーヴェイン』第5~6章(4389-5144)に現れる横暴な巨人。
 獅子の騎士イーヴェインがたまたま寄った城はガーヴェインの義兄のものだった。しかし彼の息子のうち2人は巨人ハルピーンによって殺され、4人は捕虜にされてしまっていた。というのも、彼の美しい娘をこの巨人が要求し、それが拒否されたからである。ハルピーンはほかにも田畑を荒らし略奪を繰り返すなどして、城と娘以外のすべてのものをこの王から奪っていった。その話を聞いたイーヴェインは、ちょうど翌朝にハルピーンが来ることを知り、「当然の権利として」この巨人を殺すことを約束した。
 翌朝捕虜4人を引き連れて現れた巨人は棍棒だけもっていた。というのも、彼の力は強く何者も自分を傷つけることはないだろうと思いあがっていたからである。イーヴェインは馬に乗って巨人に襲いかかり、そして巨人もイーヴェインに手荒に攻撃を加えた。そこではハルピーンの力が勝りイーヴェインは馬上に倒れ伏したが、イーヴェインの連れていた獅子が危険を感じ取り、巨人の背中をズタズタに切り裂いた。そうしてイーヴェインは力が落ちた巨人の心臓あたりを剣で刺しつらぬき殺したのだった。

関連項目


参考資料 - 資料/16:555; 資料/370:342-55


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Last-modified: 2013-09-12 (木) 00:40:51