ハーレクイン

Harlequin

地域・文化:フランス、イタリア、イギリス


 イタリア語: アルレッキーノ(Arlecchino), Harlequins, Herlequinus, Harlequino, Harlechino, Arlichin。
 フランス語: アルルカン(Hellequin), Herlequin, Helekin, Hierlikin, Hielekin, Herlekin, Hierlekin, Helquin, Hennequin, Arlechin, Arlequin。
 英語: Harlakene, Harlakeene, Harlicken, Harlaken, Harlake, Harlakeen, Harkalin, Arlequin。

 中世の伝説ではよく知られた悪魔。馬に乗った妖怪の軍隊の集団で、夜中に暴れまわる。
 11世紀のオルデリック・ヴィタル(Orderic Vital)は英国の僧院についての記録のなかで、ゴーシェリン(Gauchelin)という僧侶が1091年の元旦の夜、人里離れた路上でハーレキン(Herlechin)の一行に遭遇したというのを書き記している。
 それによればハーレキンは錫杖をもった巨人で、集団を先導していた。後ろには、野獣の毛皮を着て家具を手にして棺おけをかついだ50人ほどの男が続き、棺おけの上には頭の大きな赤ん坊が大きな籠を手にして座っていた。そして2人のエチオピア人が絞首台を運び、その上に二人の男が悪魔にとがった拍車をつきたてられていた。次に馬に乗せられた貴婦人が続き、鞍には赤熱した釘が突き出ていた。つぎに聖職者と騎士たち。なかにはゴーシェリンの死んだ弟もいた。彼らによれば、彼らは煉獄から移動する最中だということだった。彼らは炎に包まれていた。

 語源については諸説ある。9世紀にフランスのブローニュ地方に実在したエルヌカン(Hernequin)公は、ノルマン人と勇敢に戦ったが、一方ではその残虐性によって、死後、神によって審判の日までさ迷い歩くよう定められた。これがハーレクインの語源である。とか、エルカン(Hellequin)の語根のhellは「地獄」であり、quinはラテン語でgens、英語でkin「親族」に当たるものであり、ドイツのエルルケーニッヒ(Erköig)などと同じく「地獄の王」を表すものである。という説(イタリアの民俗学者パオロ・トスキToschiによる)など。

関連項目


参考資料 - 資料/230:; 資料/13: s.v.


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Last-modified: 2013-09-11 (水) 16:53:27