ホルツフラウ

Holzfrau, Holz-frau

地域・文化:ドイツ


 英語:ウッドワイフ。
 「木の女」。
 森に住むとされている野人の女性。全身に毛が生えていたり、背中が木のウロだったりする。苔が体を覆っているともいう。
 「森の女」伝承は南ドイツを中心として北ドイツ、そしてスカンジナビアにまで広まっており、スクーグスローやモーセヴァイベルなどはホルツフラウ伝承の一環である。これら「森の小さな女」伝承は、古代の森の神の侍従たちへの信仰が零落した姿であると考えられている。
 ドイツでは、「灰の水曜日(大斎始日)」に悪魔たちが森の中でホルツフラウを狩るといわれている。悪魔たちから逃げるため、彼女たちは人間に助けを求める。ケーキを焼いているところに行ってケーキを要求することもあれば、壊れた手押し車とともに現われてそれの修理を頼むこともある。また、木こりたちの前に現われて食べ物をほしがることもある。どちらにしても彼女たちの頼みを聞き入れて助ければ、寛大な報酬が待っている。その「報酬」は大抵の場合木の屑だが、しばらくすると金貨にかわる。
 また、彼女たちは「荒々しい狩」の獲物の対象になっていることも多い。この場合、彼女たちは十字架の刻まれている木までたどり着けば助かるとされ、そのため木こりたちは木を伐採するときには3つの十字を木の一部に刻んでいた。
 あるドイツの部族ではクリスマス、十二夜にこの存在を崇拝していたという。

関連項目


参考資料 - 資料/330:; 資料/266:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:21:49