メフィストフェレス

Mephistpheles

地域・文化:ドイツ


 ゲーテの『ファウスト』で有名な悪魔。メフィストとだけ略されることも多い。
 もとはドイツのファウスト(Faust)伝説に登場する悪魔メフィストフェレスは、ギリシア語で「愛すべからざる光」を意味する地獄の大公だとされる。姿は直立したグリフォンかドラゴンに似ているとされ、人間に化けるときも2本の角と翼とロバのひづめだけは変わらず、顔には山羊ひげを生やしている。ゲーテの作品の中では、最初はファウストの前に炎とともに黒いむく犬としてに現れる。メフィストフェレスは絶えず見えないところから人間の心にささやきかけ、人間の欲望をくすぐる。そして、それに応じた人間の目の前に現れて契約を迫るのである。いわゆる典型的な悪魔である。
 メフィストフェレスは多くの文学作品に登場し、その第一に有名なのはクリストファー・マーロウの『フォースタス博士の悲劇』(1589)であるが、なんといってもヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの大作劇『ファウスト』(1832)によるところが大きい。ゲーテの描くファウストは伝説とは異なったところもあるので伝説を紹介しておくと、まずこの世の全ての知識を得た老いたファウスト博士をメフィストフェレスが誘惑する。契約に応じたファウストは自らの望みを次々と叶えてゆくが、結局は悪魔の契約に抗しきれず、死後ズタズタに引き裂かれて魂は地獄に落ちてしまう。

関連項目


参考資料 - ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『ファウスト』、資料/126:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:21:48