ムシュフシュ(Mušḫuššû) †ムシュフシュ。イスタンブールの考古学博物館でtoroia撮影。イシュタル門から取ったやつらしい。なおトルコ語では、ムシュフシュがムシュシュ(Muşuş)と表記されていた。 シュメール語でムシュフシュ(Mušḫuš)。シュメール語のムシュフシュは古バビロニア語ムシュフシュからの借用語。 もとは地下世界の神ニンアズの使いで、その毒により人々を死に至らしめる「蛇の王」だとされた。それからムシュフシュは時の情勢により、様々な神の間を渡り歩いていくことになる。 ムシュフシュは、頭は蛇、角が長い角が二本、耳が2つはえており、ライオンの前脚、鷲の後脚、そしってサソリの尾を持っている。翼が生えた形で表わされることもある。最古の時期はライオン頭で、時代が下るにつれて様々な要素が合成されるようになったらしい。その図像はアッカド時代からセレウコス朝時代まで一貫して見られる。 「ラッブ神話」では、ムシュフシュは、うるさい人間どもを一掃するためにエンリルが地上に送り込んだことになっている。ムシュフシュはティシュパクによって倒され、彼はムシュフシュを随獣とし、人々を再整理した。 怪物の姿を先史時代の神々の姿の名残だとするTh・ジェイコブセンの説では、ムシュフシュはニンアズ神だったという。 |