竜とドラゴン

動物としてのドラゴン

フィシオログス

7世紀ごろのドラゴン分類

 7世紀の聖人ビーリャのイシドルスが著した大百科全書『語源論』(Etymologiae)にはドラコdracoについての解説が掲載されている。キリスト教側からの解説だということでイシドルスも「黙示録のドラゴンは悪魔である」というようなことを書いていそうなものだが、彼はそのような象徴的解釈を行なわず、あくまで動物としての理解を試みた。
 彼によれば、ドラコはあらゆる蛇のなかで最大のものであり、また地上の動物のなかでも最大のものである。しばしば棲み処から空中へと飛んでいき、大気を乱すともいう。小さな頭にはトサカがある。その力は歯ではなく尾のほうにあり、口で噛みつくのではなく尾の一撃で獲物を殺すのである。(『語源論』XII.4.4.)。
 イシドルスはドラコを蛇の章に入れているが、ではそのほかの蛇とドラコとの違いは何なのだろうか。別の書物で彼はまず蛇を3つに分類する。アンギスanguis、セルペンスserpens、そしてドラコである。それぞれ、棲んでいる場所が異なるのである。アンギスは海に生きている蛇である。セルペンスは地上に生きている。そしてドラコは空中に生きている(『異議解』1.9.)*1。にも関わらずドラコは水と関連することが多い。これはドラコ・マリヌスdraco marinus、すなわち「海中ドラゴン」である(『語源論』XII.4.42.)。

ベスティアリ


*1 原文は"in mari angues, in terra serpentes, in templo dracones"だとのこと。

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2013-09-28 (土) 04:00:55 (2241d)