竜とドラゴン

虹蛇

オーストラリア

 「虹蛇」としてオーストラリアの蛇・竜神話をまとめてみようと思い数年前にこのページを作った。しかし今は、次のような疑問を自分に問うてみている。
 多種多様な言語や文化、社会集団により構成されるアボリジニ(オーストラリア先住民)の神話を、たとえば「アボリジニ神話」とか「オーストラリア神話」という名のもとに一括りにまとめてしまうことにはどのような正当性、根拠、妥当性があるのだろうか? 一括りにしてしまうのは、単に個別の共同体や神話、宗教体系について綿密な検討を経ていないからなのではないか?

中国

その他

 ヨーロッパ原神話を再構築するために語源論を利用しているマリオ・アリネイは「ヨーロッパで広くみられる伝承は、巨大な動物、とくに蛇が水を飲む、吸うというものである」と言っている*1。その証拠として「ひじょうに高い頻度で見られる動物は、ドラゴンである」とも主張する。しかし彼が使っている言語分布図を見ると、虹のことをドラゴンや蛇、ワームなどとして表現しているところはあまり多くない。
 まず、ベラルーシとリトアニアの国境地帯。ベラルーシ語ではツモク(cmok)、リトアニア語ではスマカス(smãkas)。イタリアのドイツ語話者の間では、一部でレガムボルム(regenwurm, [rˈega͔mbɔrm])。アルバニア語でユルベル(ylber)。イタリア北部の一部でローノ[rˈōno]あるいはアルベロ・ドラゴ(albero drago)。
 分布図をみると、牛やイルカ、あるいは単に「飲むもの」などといった詞で「虹」を意味していることが多いようだ(別の本を見たが、アルバニア語のylberに「蛇」という意味はあるのかどうかわ不確定)。

 以上はあくまで日常的に使われている「虹」を意味する言葉がどうなっているのか、に探索の範囲を絞ったもので、伝説や俗信としてどうなっているのかは、大林太良の著作などを調べて追加する予定。 


*1 以下、Mario Aline, 1983, "Arc-en-ciel" in Atlas Linguarum Europae, volume I - commentaires, premier fascicule, pp. 50-51, 68; Carte 9: "Arc-en-ciel: D. Carte de motivations zoomorphisme"を参照。

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Last-modified: 2012-06-12 (火) 15:29:51 (2714d)