クルガルラ†
Kurgarra
地域・文化:シュメール
kur.gar.ra。
アッカド語でクルガルルー。
『イナンナの冥界下り』にガラトゥルとともに現れる、おそらくイナンナの祭儀関係の存在。異性装者らしい。
いろいろあって(ネティの項目参照)イナンナは冥界の捕らわれ人になり、彼女の召使ニンシュブルは様々な神々のところへと助けを求めに行った。しかしエンリルは「イナンナは冥界の崇高な掟を破ってしまった」として助けるのを拒否した。ナンナルも同様にイナンナの無謀な挑戦を指摘して、助けるのを躊躇した。最後にニンシュブルはエンキのところへ助けに求めに行った。これまでの神と違いエンキはイナンナのことを心配し、彼女を冥界から地上へ連れ戻すために、自分の爪の垢からガラトゥルとクルガルラを作り出した。そしてクルガルラには生命の食物、ガラトゥルには生命の水を与えた。
彼らはエンキから知恵を授けられ、「蝿のごとく飛び」「トカゲのごとく回」って冥界へと侵入した。そこには出産で苦しんでいる冥界の女王エレシュキガルがおり、彼らはエレシュキガルに同情するふりをして彼女の歓心を買った。エレシュキガルら冥界側はクルガルラとガラトゥルに様々な贈り物を与えようとしたが、彼らはそれらを拒否し、イナンナの死体を要求した。エレシュキガルはそれを許し、死体を2人に渡した。うまくイナンナの体を取り戻したクルガルラとガラトゥルはそれぞれ生命の食物と生命の水を死体へと振りかけて彼女を復活させ、地上に連れ戻した。
しかし、一度冥界の住人になってしまったものを地上に返すためには代理人をよこさなければならない。そう言って冥界の裁判官アヌンナキたちはイナンナを押しとどめた。続きはガルラの項目で。
関連項目†
参考資料 - 資料/93:; 資料/303: