*羅刹 [#d0b0489a] CENTER:&size(25){rasetu}; CENTER:&size(25){Rasetsu&br;らせつ}; 地域・文化:仏教 ---- 羅刹。梵語ラークシャサ(Rākṣasa)の音訳。ラセツ。パーリ語ではラッカサ(Rakkhasa)。女性はラークシャシー(Rākṣasī)、パーリ語でラッカシー(Rakkhasī)。こちらは音訳で羅刹女、または羅刹斯(ラセツシ)。~ というわけで、その基本的な性質はラークシャサとあまり変わらない。一般的には悪い鬼(超自然的存在)のことで、人肉を食うとされる。空を飛ぶこともあれば地上を素早く走ることもできる。男性は非常に不細工だが、女性はきわめて美しい。とはいっても、どちらも人を食うのに変わりはない。毘沙門天が羅刹や夜叉などの鬼を従える。~ 梵語ラークシャサ(Rākṣasa)の音訳。パーリ語ではラッカサ(Rakkhasa)。女性はラークシャシー(Rākṣasī)、パーリ語でラッカシー(Rakkhasī)。こちらは音訳+意訳で羅刹女、または羅刹斯(ラセツシ)。 仏典などにおける基本的な性質はラークシャサとあまり変わらない。一般的には悪い鬼(超自然的存在)のことで、人肉を食うとされる。空を飛ぶこともあれば地上を素早く走ることもできる。男性は非常に不細工だが、女性はきわめて美しい。とはいっても、どちらも人を食うのに変わりはない。毘沙門天が羅刹や夜叉などの鬼を従える。~ 羅刹女だけが住む羅刹女島というのが知られている。男ばかりの船がこの島にたどり着くと、容姿秀麗な女性たちが彼らを迎える。船乗りたちはあらゆる快楽にふけるが、その快楽ののち、自分たちが食べられてしまうことを知り、ほうほうの体で逃げ出す、というもの。~ また、羅刹は地獄に住む獄卒であるともされ(たとえば阿傍羅刹)、牛や馬の姿になって罪人を食べては噛み下す、という。~ また、羅刹は地獄に住む獄卒であるともされ(たとえば阿傍羅刹)、牛や馬の姿になって罪人を食べては噛み下す、という。~ 『今昔物語集』「肥後国の書生羅刹の難を免るる」では、女性なのに恐ろしい、どちらかというと鬼婆といったほうが近い羅刹鬼が登場する。この羅刹鬼は「鬼」と混同され、現代にいたる鬼のイメージの原典の一つとなっている。~ 羅刹女は法華経などでは仏法を守護する存在とされている(十羅刹女)。~ ※羅刹天となり「天」がつくと、こちらは食人鬼としての面影は消えうせ、単なる天部の一員となる。十二天の一人で、西南を守護する。破壊と滅亡をつかさどる。 羅刹女は法華経などでは仏法を守護する存在とされている(十羅刹女、おじゅらっさん)。~ 羅刹天となり「天」(deva)がつくと、食人鬼としての面影は消えうせ、単なる天部の一員となる。十二天の一人で、西南を守護する。破壊と滅亡をつかさどる。 **関連項目 [#ndde496f] -[[日本/羅殺鬼]]、[[インド/ラークシャサ]] - ---- 参考資料 -