インサーン・アルマー

Insān al-Mā

地域・文化:アラビア


 「水棲人間」。
 海の中に棲んでいるとされる、人間に似た種族。13世紀のアル=カズウィーニー著『創造物の驚異』によれば、インサーン・アル-マーは、尾がある事を除いては人間によく似ているとされる。この「尾」というのは魚の尾だと考えられることもあるが、『創造物の驚異』写本にあるイラストではどれも猿の尾が生えているだけである。身体は人間だが、裸で描かれている。
 アル=カズウィーニーによれば、自分の生きている時代に、彼らのうちの1人が干からびた状態で発見されたという。彼らはシリアの海に住み、時々地上の住居に滞在するために陸に上がる。カズウィーニーは、人々がそれを「海の老人/シャイフ・アルバフル」と呼んでおり、猿の一種である、とも記述している。
 ちなみにこの「シャイフ・アルバフル」はシンドバッドに背負われて彼を悩ませた怪物「海の老人」と同じ名称であるが、両者の関係は明確にはわかっていない。

関連項目


参考資料 - 資料/96


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Last-modified: 2012-10-01 (月) 01:27:28