アイギパン†
Aigipān
Αἰγιπαν
地域・文化:古代ギリシア
アイギパーン。ラテン語形はアエギパン(Aegipān)で英語はイージパン(aegipan)。
「山羊の足をもつパン」。
アルカディアの牧羊神../パンの一種、または別名。パンは普通山羊の足を持つ人間の姿をしているためこの名前は馬から落馬しているが、とにかくアイギパンと呼ばれる。
ヒュギヌス『神話集』155ではアイギパンはゼウスと雌山羊の間に生まれたとされている。
アポロドロス『ギリシア神話』1巻4章3節によれば、怪物../テュポンがゼウスと戦ったとき、ゼウスはその腱を奪われて熊の皮に隠されてしまった。テュポンはその腱を番人の../デルピュネに見張らせておいた。しかし盗人の神でもあるヘルメスとアイギパンとが腱を盗み出し、同じくコリュキオンの洞穴内に無力で監禁されていたゼウスにつけて再び力を戻させた。
俄然勢いづいたゼウスは翼のある馬に引かれた戦車に乗ってテュポンを攻撃しにいったのであった。
なお、ヘルメスやディオニュソスとは関連のない、ニンフとのロマンスに登場するようなパンのことを区別してアイギパンと呼ぶという説もある。
のちに怪物種族の名称として使われるようになり、19世紀初頭には日本でも知られるようになった。たとえば山村才助は『西洋雑記』三のなかで、アフリカに「エジパンス」が住んでいることを紹介している。
関連項目†
参考資料 - 資料/22:; 資料/178:; 資料/375:4