キマイラ†Chimaira, Khimaira, Chimaera, Chimera
Χίμαιρα 地域・文化:古代ギリシア 合成生物を意味するキメラ。 ギリシア神話に現れる数多の怪物のなかでもかなり無理な格好をしているキマイラであるが、実際、ソクラテス以前すでにキマイラは「存在しないもの」の代名詞として扱われていた。ゴルギアスは『あらぬものについて、あるいは、自然について』のなかで、../スキュラやキマイラなどを「あらぬもの」(存在しないもの)の代表として挙げているのだ(セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』第7巻80に引用*1)。 その伝統はヘレニズムを経て中世ヨーロッパのスコラ学にまで受け継がれており、単純化すると「この言葉はどのように存在しないものを参照しているのか?」という言語哲学的な問題で「キマイラ」という名詞がよく取り上げられた。この伝統は少なくとも16世紀あたりまで続いていたらしい。 関連項目†参考資料 - 資料/375:105 |