ヘカトンケイル†Hekatoncheir, Hekatoncheires
Ἑκατόγχειρ, Ἑκατόγχειρες(pl.) 地域・文化:古代ギリシア 100の腕と50の頭を持つ巨人たち。ヘシオドスの『神統記』によれば、ウラノスとガイアの間に、../キュクロプスたちの次に生まれたという。それぞれ../コットス、../ブリアレオス、../ギュエスと呼ばれた(後二者はアイガイオン、ギュゲスとも言う)。なお、ヘシオドスの時点では彼らはヘカトンケイルとは呼ばれず、単に「コットス、ブリアレオス、ギュゲス」と呼ばれていた。ホメロスの『イリアス』第1歌では「百の手を持つ怪物」(ヘカトンケイロス:Hekatoncheiros, Ἑκατογχειρος)のブリアレオスと呼ばれるが、これは神々による呼称であるという。人間はブリアレオスのことをアイガイオンと呼ぶのである。アポロドロスの『ギリシア神話』ではキュクロプスの前に生まれたとされ、ヘカトンケイルという呼び名も使われている。 神話学者のジョルジュ・デュメジルの想定していたところでは、キュクロプスとヘカトンケイルは印欧語族の主権神の特徴である隻眼と隻腕の古い名残なのかもしれないという。ギリシアの場合、腕は逆に増えたということである。またアーサー・クックはヘカトンケイルに腕が多いのは太陽の放射線象徴であり、一つ目であるキュクロプスは太陽そのもののことであるとした。 関連項目† |