ニフォロア

Nifoloa

地域・文化:サモア


 ニフォロア(長い歯)はサヴァイー島のファレリマとパラウリからきた男の妖怪である。彼は人間の指のサイズほどの鋭い歯を一本持っている。もしその歯を誰かに刺したら、その人はサモアの特効薬で直ちに手当てをしない限り死んでしまう。
 この妖怪はサモア全域をうろうろしており、誰でもニフォロアの不満に直面すると彼に傷つけられてしまうという。
 ファレリマの女性が離れた村に嫁に行くとき、ニフォロアは彼女の後をついていって、彼女の新しい家に自分の住処を構える。何人かの人々は、この妖怪を人間の姿で見ることがる。もしヴェア鳥か白い大きな豚が家の近くに現れたら、それはニフォロアが家に来る兆しであるという。というのも、村には大きな豚がいないからだ。ニフォロアは誰に対しても、ファレリマの女性が住んでいる家に日没以降に近づくことを許さない。誰かがニフォロアに刺されたとき、刺された穴は見えないが、被害者は激しい痛みに襲われる。薬の処方によってその穴がわかるが、もし薬が来る前に死ねば、自然と穴が見えてくるらしい。
 サモア人は老若男女今でもニフォロアを恐れている。腕と足と頭だけが攻撃の対象になるが、腹が刺されることはない。誰か刺された人は、彼を助けに薬を探しにいっているということを知らされることはない。というのも、ニフォロアが彼をより痛めつけ、死に至らしめるからである。
 また、もしニフォロアが誰かが薬を採りに行っているという事を知れば、まずその使者を先回りする。そして、彼が来る前に、効能のあるハーブを根こそぎどこかへ持っていってしまうのだ。それでも効能のあるハーブを入手できた場合、それから特効薬を作り上げる。

 ある夜中に男が歩いていると、足に途端に激しい痛みに襲われた。彼はすぐに家に帰り、倒れた。彼の家族は何が起こったのかたずねたが、彼は「途端に足が痛くなって、震えが止まらない」と言った。家族はそこで、対ニフォロア特効薬が必要だということを悟る。医師は薬のために送られるが、しかし、決して正しい名前を言ってはいけない。それは「首長の歯の上にある薬」と呼ばれる。医師が薬を手に戻ってきたとき、男は何も知らずに座っていった。というわけで家族はニフォロアが原因だということを知る。医師は病人の寝床に向かう。患者は「何故来たのか」と聞くが医師「おお、特になんでもないですよ」と答えた。続けて患者の家族は「彼は、足が痛んで震えが止まらない、というんです」と説明した。医師は薬を指に塗りつけて、患者の足に塗布した。患者である男は4,5時間の眠りについた。そして医師は家族たちに、4日間は彼を見張り、絶対に一人にしないように、と忠告した。ニフォロアによってあけられた穴が見えてくると回復の兆しである。

関連項目


参考資料 - 資料/361:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 06:00:22