ギルタブルルー†Girtablullû
地域・文化:アッカド ギルタブウル、ギルタブリル。 『ギルガメシュ叙事詩』において永遠の命を求めて彷徨っていたギルガメシュは地の果てマーシュ山にたどり着く(それまでの経緯はアルーの項目参照)。そこは上記のように太陽が出没する場所で、頂上は天にまで届き、ふもとは冥界にまで達していた。そしてそこの門を見張っていたのがギルタブルルーたちである。彼らの姿は、「その姿は死だ」つまり見たら死んでしまうほど恐ろしいとされた。これにはさしものギルガメシュもひるんだが、勇気を出してギルタブブルーに声をかけた。ギルタブブルーは妻と相談し、「何ゆえここに来たのか」と尋ねた。ギルガメシュは不死の命を持つウトナピシュティムに会うためだ、と答えた。ギルタブルルーは、これより先は太陽の日差しも差し込まず、完全な暗闇の中をずっといかなければならない、と警告した。しかしギルガメシュの決意は揺るがなかった。ギルタブルルーは門を開け、ギルガメシュは完全な暗闇の中を進んだのである。 上半身が人間で下半身が鳥、尾がサソリになっていて弓を引いている姿の怪物がメソポタミアでは知られており(カッシート、新アッシリア、新バビロニア、セレウコス。野尻抱影の『星と伝説』にある「バビロニヤの蠍人」はこれのこと)、エザードは1965年にこれをギルタブルルーではないかとしたが、ヴェッヒェマンは1992年それに反論してこれはギルタブルルーではないと結論付けている。とはいえ直接的な文字資料が発見されてないので正確なところはわからないままである。 関連項目† |