ヤルマギツ

Jarmawuz

地域・文化:ウズベク、タリム盆地


 魔女。7つの頭を持つとされたり、盲目だったり、巨人を支配していたり、いろんな描写がなされる。
 民話の中の超自然的な女悪役の総称である。

 ある国の山の中にヤルマギツが棲んでいた。ヤルマギツの頭は天幕の丸屋根のように大きく、口は扉のように大きかった。40人の巨人がヤルマギツに仕えていた。ヤルマギツの昼食はラクダ1頭、夕食は羊7頭。また人肉を好み、村を歩いては小さな子供をさらっていた。
 さて、この国には医師がいたが、息子がいなかった。ヤルマギツが「望みごとをかなえてあげよう」というので医師は子供を所望した。ヤルマギツは子種のりんごを与え、その息子が7歳になったら自分に返すことを条件とした。
 少年は7歳になり、ヤルマギツは少年を連れ去った。ヤルマギツは道中、施し物をもらいにいくため少年と離れたが、そのとき良い妖精が現れてヤルマギツを倒す方法を伝授した。少年はヤルマギツを殺し、監禁されていた40人の少年、3人の良い巨人、良馬、美しい鳥などを解放した。巨人、馬、鳥たちは少年たちにそれぞれ指輪、尾毛、羽根を与えていつでも助けに来るからと約束した。でもってこの息子はパーディシャー(王さま)の末娘の息子になって大活躍。おわり(ウズベク)。

 王に妻が2人。片方の妻にばかり子供が生まれ、もう片方の妻は嫉妬して子供を投げ捨てる。投げ捨てられた子供はクマに拾われ、立派に育つ。男の子はチン・テミュール、女の子はメヒトゥムスラと言った。チン・テミュールが狩りに行っているとき、メヒトゥムスラは兄の忠告を聞かずに動物を粗雑に扱って火種を消してしまい、煙の立っている家に火の種をもらいに行く。そこには7つの頭の魔女ヤルマギツがいた。というわけでヤルマギツにうまく丸め込まれて毎日血を吸われる羽目になった女の子。それに気づいた兄はうまくヤルマギツを騙して首を切り落とす。が、7つもあるのでなかなか殺せず「風の角」という最後の頭が残り、風となって逃げる。しかし兄の猟犬に捕らえられて死亡。兄妹はさらなる冒険を続ける(タリム盆地)。

関連項目


参考資料 - 資料/65


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Last-modified: 2013-09-11 (水) 05:16:39