ストレンドゥ

Strendu

地域・文化:北米先住民・ウィヤンドット


 悪神../タウェスカレが、双子の善神に対抗するために作り上げた石の巨人たちのこと。
 ストレンドゥはタウェスカレが敗れたあとも生き残っていたらしく、ウィヤンドットの人々を脅かしていた。
 その姿は非常に大きく、樹木の半分ほどの高さもある。ある話によると、ストレンドゥの女は川を泳ぐのではなく歩いて渡っていたという。彼女は河畔にあがるときにつばを吐いたが、それが偶々置いてあった斧に当たった。その斧には呪術的なものが付与され、どんな巨礫でも一撃で砕けるようになったという。
 ストレンドゥの身体は火打石の鱗で覆われ、そのために誰もこの巨人たちを傷つけることはできない。もしウィヤンドットの人々が運悪く眠っているストレンドゥを驚かせてしまったら、その人は枕に使われている崖の木で殺されるか、腕穴にある矢で射殺されてしまう。
 ある人がある日湖のほとりに行くと、さざ波が立っていた。波を立てる風のほうを見てみると、それは自然の風などではなく、巨大な女ストレンドゥの寝息だった。多くの戦士たちがやってきてこの巨人を退治したので、そこには彼女の身体を覆っていた火打石の破片が多く散らばっている。
 また、ストレンドゥは人食いなので、昔のウィヤンドットの人々は、これらの巨人の存在を感じ取ると森のほうへいくことがあった。というのも、次のような物語があったからである。
 あるときストレンドゥは人間の匂いをかぎつけ、そこに獲物がいることに気づいた。そこで彼女は人間の指を手のひらに乗せた。この人間の指は彼女に食べられた人のもので、どこに人間がいるかを教えてくれる呪具だったのだ。そして巨人はささやいた。「人々はどこにいる?」。すぐに指は立ち上がり、そして人々が隠れている樹のほうを指差した。しかしこの巨人はその指のいうことを信じなかった。
 「人間が空のところに住んでいるなんて聞いたこともない」。
 そこで彼女は指を捨て、もうそれは使い物にならなくなったと思い、何にも使わなかった。

 現在ストレンドゥたちがどこにいるのか、誰も知らない。どこかに生きているとは考えられている。ある人がいうには、巨人たちは東方にいるに違いないという。

関連項目


参考資料 - 資料/363:299-300


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Last-modified: 2008-08-16 (土) 05:16:28