タングニョースト†
Tanngnjóstr
地域・文化:北欧
「歯を研ぐもの」。
スノッリの『ギュルヴィたぶらかし』21によれば、タングリスニルと共にトールの車を引く山羊。
同じく『ギュルヴィたぶらかし』44にトールの山羊についての神話がある。
あるとき、トールとロキは山羊に引かせた車に乗って旅をしていた。彼らはある百姓のところへ来て、そこに泊まった。トールは、夜になって2頭の山羊を捕まえ、両方とも殺した。そして皮をはぎ、鍋に入れて料理を作った。
トールはロキと一緒に席につき、百姓の一家も呼んだ。百姓の息子はスィアールヴィ、娘はレスクヴァという名前だった。トールは火の近くに山羊の皮を広げ、百姓一家に、山羊の骨をその皮の上に投げるように言った。しかしスィアールヴィはモモの肉をナイフで切り裂き、髄までこじ開けた。
翌朝、トールは起きると服を着て大槌ニョルミルで山羊の皮を清めた。すると山羊は再生し歩き始めたが、うち1匹がびっこを引いていた。スィアールヴィが骨を切ってしまったからだった。そこでぶち切れですよ。トールは激怒した。
百姓たちは青ざめ、なんとか命だけはお助けを、なんでも差し上げますから、と懇願した。彼らを見たトールは怒りも収まったが、息子と娘を百姓夫婦から受け取った。そこでこの2人はトールに従うようになった。
山羊は・・・・・・トールは山羊をそこに置いて、旅を続けたのであった。ウートガルザ・ロキの館へとである。
関連項目†
参考資料 - 資料/136: