カルチョナ†
Calchona
地域・文化:チリ
カルチョーナ。魔女のこと。
ある男が、それと知らずに魔女と結婚した。しかし、後になって起こった出来事によりにより男は妻が魔女ではないか、と疑いを持った。そこで男は、妻に知られないように彼女を見張っていた。
ある夜のこと、妻は一人で裸になって自分の眼をえぐり取り、水を入れた皿に目玉を入れ、体に黒い脂肪を塗り、山羊の皮を身にまとい、野原に出て他の山羊たちと混じった。山羊たちは走りだし、男の視界から消えてしまった。男はすぐに家に帰り、妻が皿に入れておいた目玉と脂肪を近くのどぶ川に捨ててしまった。
そして妻は戻ってきたが、目玉も脂肪もないので人間の姿に戻ることが出来ず、それ以来川岸や堤防をさまよっているのが見かけられた。子供たちはこの山羊の足の先に毛の長い房がついているので、それをカルチョーナ(足に毛の生えたもの)と名づけた。
他の民話では子供に脂肪を塗って狐にしたり羊に変身したりするが、結局脂肪を失って元に戻れなくなる。農民たちはさまよえる山羊や羊を、「罪を償う女」としてどこへ入っても自由にさせてやっている。
関連項目†
参考資料 - 資料/247: