オッフ

地域・文化:ブルガリア


 濃い眉、広いあご、手斧(ちょうな)のような歯を持つ悪魔。
 人が人生に疲れたり幸福を取り逃がしたときに、道端の井戸で「オッフ」とため息をつくと、この悪魔は自分が呼ばれてきたのだと勘違いして出てくるといわれる。だから、どんなに疲れているときでも、オッフとため息をついてしまってはいけないのだという。
 オッフは、人間の子供を弟子にして魔術を教えることもある。
 ある母親が、自分の息子をオッフのもとに預けた。この息子は、どこに奉公に出してもうまくいかなかったからである。さて、彼女は3年間息子をオッフに預けたが、オッフの妻が息子に「オッフは魔術を習得すると嫉妬して殺してしまう」ということを教わっていたので、つねにオッフの前では魔術が失敗するように見せかけた。そこで、息子は3年間無事にオッフのもとで過ごすことができたのでした。

関連項目


参考資料 - 資料/213:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:23:46