運命の女神たち†Fates
地域・文化:世界各地 Fatesは英語。他言語による運命の女神の呼び名は一番下の欄を参照のこと。 運命の女神たちは、古代ギリシア時代から現代に至るまで、アイルランドなどを除くヨーロッパのほぼ全域、そしてトルコなどの周辺地域にも広く知られている存在。彼女たちはほとんどの場合複数で現れ、ほぼ全てが女性である。古代ギリシア・ローマ時代は「神格」だと考えられていたが、キリスト教の時代以降は何らかの精霊の一種、悪魔や魔女の一種とされるようになり、近代に入ってからはその信仰も衰えていった。とはいえ、広い意味での「運命」(すべての出来事は事前に決定されている)に対する信仰は依然として強く存在していて、欧米文化の広まっている日本などにも根付いている。 運命の女神たちは、人間がこの世に生を受けるときに現れる。そしてその場に生まれた子供に対し、どのような基準があるのかはわからないが、適当にその子の将来を予言する。複数いる場合は女神たちの予言が少しずつずれていくこともある。そして子供の死に様を予言する女神が最後に現れる。出産時ではなくまだ幼い時に予言されることもある。人々は運命の女神に対してそれ相応のもてなしをせねばならず、少量の食料が出産時に運命の女神にささげられることもあった。また、運命の女神は産婆と関係があるとされたり、産婆そのものであるともされた。ある地域では、産婆を意味する言葉はもともと運命の女神を意味する言葉だった。 物語として知られる「運命の女神」伝説の骨格は、基本的には次のようになる。 どの要素も非常にバリエーションが多く、ひとつの文化内にも複数の伝承があることもあれば、同一のバリエーションが複数の文化に伝承されていることもある。古代ギリシアのメレアグロス伝説と北欧のノルナゲスト伝説、トルコのトラコサリス伝説のように、時代や地域がずっと遠くても類似しているものもある。たとえばヨーロッパに伝わる「運命伝説」を大規模に収集して研究したロルフ・W・ブレードニヒは「3」の要素を次のように分類している。 関連項目†参考資料 - 資料/188: |