特徴†なによりもまず†この事典は未完成の項目が他のオンライン事典と比べて法外に多いです。その数、数千。なぜなら、この事典は、ある時点までは実を書いて名を追加する方式ではなく、名を追加するだけの方式で項目数を増やしてきたからです。現在も新規項目の追加が既存項目の補完に優先するので、この状況は当分の間かわらないでしょう。 年号は西暦に統一しています(たぶん)。 概要†「幻想動物の事典」は、世界中の神話、伝説を中心としたありとあらゆる人間たちの社会・文化的生産物を一次資料とすることのできる、幻獣、聖獣、怪物、妖怪、幽霊、精霊、妖精、悪魔、魔神、未確認動物、宇宙人などの幻想的な存在・・・・・・要するに、神様と人間以外のファンタジーな皆様方を製作者toroiaの欲望のおもむくままに無限の拡張をおこなうべく用意されたデータベースです。しかし、大きな規準を設けています。下のほうをご覧ください。 完成していない項目について† 先述のように、事典中には何の解説もない項目もあれば、いろいろと細々と書かれた項目も存在します。一般的な意味でも「完成」とは程遠い状態にあるので、場合によっては多くの、そして重要な解説が抜け落ちていることもあれば、どうでもいいような些細な解説が存在しないこともあります。今となっては間違っていたことに気付いている項目も相当な数、あります。 参考資料番号† 資料ページと対応させた数字です。最初の数字が資料を、「:」で区切ったあとの数字がページ数をあらわします。「;」または「、」で次の参考資料と区切っています。「:」のあとに数字がない(=ページ番号がない)のが7, 8割がた占めていますが、これについては追々掲載していく予定です(資料が丸々その幻想動物について語っているときは、「:」をつけていません)。「s.v.」は辞典類の見出し語を参照、という意味です。 とあれば、参考資料は111番目の辞典の「幻想動物」という見出しと、222番目の資料のどこかと、333番目の資料の44ページから55ページにかけてと、666番目の資料の777ページから788ページと、999番目の資料全体である、ということになります。 立項の規準について†項目は、個々の名前にまで細分化しています。つまり、「どこどこの宗教の魔神」だとか、「水に関する精霊」のようなグループについての項目は存在しません。そのため、項目数は多くなりますが、個々の項目の内容は極限にまで薄まっています。ある宗教文書から名前リストだけ利用したためにあまりにも内容が薄いものについては、その宗教文書などをインデックスをかねて中項目として作成しています。 選択基準†人々の想像のなかにのみ存在する、と考えられるモノゴト。 信じられていたのに限ること† しかしながら、「存在が信じられていたもの」、もう少し厳密に言うならば「存在しないとは思われていなかったもの」を第一規準とします。だから、たとえ神話と呼ばれていたり、神話に題材をとったものでも創作ならば掲載していませんし、今後も掲載する予定はありません。 ある妖怪やモンスターの存在が信じられていたことをはっきりさせるのは、実はかなり厄介な問題です。特に民間伝承の報告のばあい、断片的な記述しかないと、それを語ったインフォーマントがどのような意味で妖怪なり幽霊なりの伝承を考えていたのかが永遠に分らないままとなってしまいます。近世ヨーロッパにおけるユニコーンや原題における宇宙人や未確認動物のように、存在の有無についてはっきりとした議論や言明があった対象ならば、それに越したことはありませんが、そうした例はあまり多くありません。 名前事典だったことについて†以前は「名前事典」だったので、名前のない存在はあまりいれていません。 日本の妖怪に解説がないことについて†日本の妖怪を名前だけ載せていますが、なぜなら村上健司編『妖怪事典』まるまるコピーになってしまう可能性が高いからです。一次資料やそれに近いものに私が当たったもの以外は載せていません。 最近ではWikipedia日本語版が『妖怪事典』以上の詳しさの情報量を誇るようになっています。どうやら日本妖怪についても気合を入れて調べるなら「まるまるコピー」になることはないようです。さて、どうしたものか。 項目の書き方† 漢字や当て字のない日本の妖怪は、学術用語はカタカナ書きという慣例により、普通の妖怪本ではカタカナで書かれることが多いですが、ここでは他の地域との区別が楽にできるよう、ひらがな書きにしました。 項目の編集方針について† 知りうる限りでの直接の原典にあたり、学術的な情報・仮説をできるだけ優先して紹介するのが方針です。 固有名詞の表記について†固有名詞を項目名とするこの事典の一番の技術的な問題がこれです。日本語資料の場合は、たいていは資料そのままの表記に従っていますが、ときおり外国語の資料を使うとき、また日本語資料にカタカナ資料がないときは、すずめの涙ほどもない知識から類推してカタカナにしています。ヨーロッパなどはできるだけ調べてその地域の発音に近いように心がけているんですが、たとえばケルト語派の言語についてはわからないことがほとんど。 どのカタカナ方式を採用したか†個々の言語でもカナ表記に問題が山積しているのは知っていますが、ここでいちいちそれを並べてどれを採用したかリストアップするのは、自分自身でも忘れたのが多いのでできません。文字を持たなかった文化(植民地だったところ)の場合、これはケルト諸語よりもはるかに情報量が少ないので完全に適当です。南米については、スペイン語特有の綴りっぽいものは伝統的な発音に従い(hueをウェ、llaをジャやヤではなくリャとするなど)、アフリカ、オセアニア、アメリカではjaはヤではなくジャ、djaもドヤではなくジャ、ほかはローマ字読み、tsはツとしています。ややこしいのはxで、おそらく[x](喉で発音するハ)かそれに近い音だとは思うのですが、わかりません。caはさらにややこしくて、カとも読めるし、チャとも読めるし、ツァ、ジャと発音するところもあるし、……で、放棄することが多いです。thも同じく、thank youのthなのか、t-hでトハと読むのか、わかりません。シベリアや中央アジアでは、khaはハ、myはムィとするなど、ロシア語のカナ表記に近くしています。また、日本語に対応するものはおろか、類似するものさえない子音がありますが(例えばヘブライ語のアレフとアイン。喉音の一種で、ヨーロッパの言語にもないけど、アッカド語やアラビア語などにもある。カタカナ表記のときは無視するしかない)、先例がある場合は可能な限り先例に従います。母音のほうも、æやëをアとするかエとするか、あいまい母音をウ行にするかエ行にするか、さらに長音の問題もあり、こちらは特に印欧諸語だとアクセントの問題になるのですが、よくわかりません。 ほとんど子音しか表記しない文字体系による名称の場合†たとえば古代エジプト語、ウガリト語、パフラヴィー語、母音記号のないヘブライ語やアラビア語など。資料にカタカナ表記があったり、学問的に母音が推測されたり適当に補われた状態で表記されている場合は、それをそのまま採用しました。しかしない場合は、アルファベットと違ってカタカナではどうしようもないので、「大文字」で表記しています。 どうするにしても、結局はカタカナ表記は近似値でしかないので、原綴りを気の向くかぎりのせる方針です。そもそももともと文字だって音声言語をエンコードした近似値にすぎないのだけど。 特殊文字について†今では多くの環境でユニコードが使えるようになっているので、このページも基本ユニコードで作成しています。多言語を扱う場合、普及している中ではユニコードが最適な方法なので、JISやEUCなどのページを別に用意する予定はありません。 ブログに書いたこの事典についての記事† まずは、幻想動物の事典の歴史
幻想動物の事典をウェブ上に公開している意味、目的。この事典はたぶんかなり項目が多いほうだと思いますが、解説未掲載のものもあれば、やたら詳しい項目もあります。量を増やすことと、質を高めることの両立の難しさ。もし私が物語を読むのが好きならば、もう少し解説未掲載の項目は減っていたでしょう。でも、私は物語を読むのが嫌いです。 |