ルキフェル

Lūcifer

地域・文化:悪魔学


 ルーキフェル。|  キリスト教における悪魔の王。

 lūciferというラテン語そのものは、もともとは「明けの明星」(金星)を意味するだけだったが、明けの明星を神に逆らったサタンと同一視したオリゲネスの著作のラテン語訳以来、この語はヨーロッパ一般で悪魔を意味するようになった。
 各国語ではイタリア語でlucífero、イタリアのヴェッレトリでčífero、シチリアとシャンパーニュ方言(irpinatisch)でčífaru、イタリアのソーラでčifre̥、コルシカでarčífalu、カタルーニャ語でlluciferなどとなる。それでもluciferから派生したルーマニア語luceafer、古カタルーニャ語lluzer、スペイン語lucero、ポルトガル語luzeiraなどは今でも「金星」を意味している。また「元気な子供」「嵐」なんかを意味するように変わっていったところもある*1

 ちなみに確認しときますが、英語読みのカタカナ表記がルシファーです。ルシフェルは折衷的な読み方……?
 「ルシフェルが神を意味するエルを捨ててルシファーになった」なんていうバカな話をときどき見かけるが、もちろん、これは日本語ならではの勘違い(rとlを同一とみなすのは日本語に限った話ではないけど)。

関連項目


参考資料 -


*1 資料/636:417

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