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#csv2newpage(ギリシア・ローマ, _name, spelling, culture, reference, classif, original, body, relevant)
//,アナイカスメノス,Anaikathoumenos,ギリシア,[[資料/344]]:,[[キーワード/吸血]],ἀναικαθούμενος,「自らの墓に座っているもの」。&br; 吸血鬼のこと。多くの伝説の中で吸血鬼(ヴリコラカス)は掘り出されるときに墓の上に座っている形で見つかるとされていることからこの名称がつけられた。,&br;
//,カタハナス,Katachanas,ギリシア,[[資料/344]]:,[[キーワード/吸血]],Καταχανας, 「破壊するもの」、または「大きく開けるもの」「口を大きく開けているもの」。&br; 吸血鬼の名称の一つ。大きく口を開け、その歯を光らせるという吸血鬼(ヴリコラカス)の特徴に由来する。,&br;
//,ティンパニアイオス,Tympaniaios,ギリシア,[[資料/344]]:; [[資料/174]]:,[[キーワード/吸血]],Τυμπανιαιος," 「太鼓のような」。&br; 吸血鬼ヴリコラカスのこと。その身体が風船のように膨らんでおり、皮膚が太鼓の羊皮紙のように張り詰めており、叩くと太鼓と同じような音がすることからこのような名前がついている。この言葉は近代になってもキュントス島(Kynthos, Thermia)で使われた。17世紀のレオネ・アラッキ(Leone Allacci)の著作""De quorundam Graecorum Opinationibus""(1645年)で既に知られていた。&br; もともとの意味では、蘇った死者であるティンパニアイオスは恐れられるというよりは、尊敬されていた。しかしスラヴの影響でヴリコラカスという言葉が凶暴な吸血鬼として使われるようになると、ティンパニアイオスもその吸血鬼だとされるようになった。",[[../ヴリコラカス]]、[[../サルコメノス]]
//,アナスケラデス,Anaskelades,ギリシア,[[資料/266]]:,[[キーワード/幻獣]],,,&br;
//,パレドリー,Paredrii,ギリシア,[[資料/86]]:,[[キーワード/使い魔]],, パレドリイ。&br; ギリシア語で使い魔のこと。,&br;
//,フォノス,Phonos,ギリシア,[[資料/334]]:,[[キーワード/死神]],, 「死神」。&br; 頭がなく、胴体に目と口がある精霊。恐怖をあおる力があるとされる。,[[../アケパロス]]
//,ネレイド,Nereid,ギリシア,[[資料/306]]:,[[キーワード/総称]],, 妖精の名称。&br; 古代ギリシアの水のニンフ、ネレイデスが妖精的存在の総称として使われるようになった。,&br;
//,ボイオテイアの山猫,,ギリシア,,[[キーワード/猫]] [[キーワード/動物]] 透視,, 内臓を透かしてみることが出来る猫。,&br;
//,ヴリコラコイ,Vrykolakoi,ギリシア,,,,,&br;
//,アケパロス,Akephalos,ギリシア、エジプト,[[資料/480]],[[キーワード/無頭]],Ἀκέφαλος," 「頭無し」。複数形はアケパロイ。そのほかビアイオス、ビアイオタナトスと呼ばれることも(アホロス参照)。&br; ギリシアの民間伝承において、字義通り、人体から頭が欠けた姿をしている精霊、あるいは悪霊のような存在。&br; アケパロスの伝承には肯定的な側面と否定的な側面があるが、一般的には極めて悪い、害をなす死霊の一種であるとされている。その伝承は古代から現代に至るまで持続しているらしい。&br; アケパロスはアホロスたち(不慮の死を遂げた幽霊)の一種であるとされ、事故や斬首のごとき暴力的な死を遂げたものがこの類の亡霊になると考えられていた。また、古代後期から18世紀にいたるまで、フォノス(「殺人霊」)もアケパロスのことであるとされた。&br;&br; 古代後期のエジプトにおける魔術パピルスではアケパロスは宇宙の創造者だとか宇宙の神であるとかみなされるようにもなっていた。これはオシリス神との習合信仰によるものらしく、あるパピルスには「汝、神オシリスならん」なる一文も刻まれている。&br;&br; アケパロスは、アケパロイというように複数形になるとある種の民族、つまり頭がない人々だらけの集団を意味することになる。当該項目参照のこと。&br;&br;<img src=""http://www.toroia.info/images/akephalos.jpg""><br>&br; 魔術パピルスに描かれたアケパロス。体中に神の名や呪文の羅列がみえる。頭のあるべきところには旗みたいなのが5つ立っているけど、なんだろう? 両手に持っている枝か杖のようなものはなんらかの神の属性か。Brill's New Pauly, antiquity vol.1, p. 412より。",[[../アケパロイ]]、[[../フォノス]]、[[../アホロス]]
//,ヴリコラカス,Vrykolakas,ギリシア、マケドニア,[[資料/174]]:,,, 別名:ヴルカラカス(Vroukalakas)、ブルコロカス(Brucolocas)。&br; 人狼、または吸血鬼。人狼は死後吸血鬼になるといわれた。スラヴ起源であり、ヴリコラカスという言葉が来る前は、ギリシアにおいては生ける死者は恐ろしいものでなかった。しかし、人狼をも意味するこの言葉が入ってきてからはそのような死者にも恐ろしい属性が付加されることとなり、ついには第一義を獲得するに至る。ヴリコラカスになるには色んな理由があるが、例えば狼の殺した羊の肉を食べた人間がなるとも言われる。&br; ヴリコラカスは闇の中で、ドアをノックして中にいる人の名前を呼ぶ。その人がもし返事をすれば、彼はまもなく死んでしまう。そのため、ある地方では、ノックされたり呼ばれても、一度では反応しないという習慣がある。日本の「もしもし」と同じようなものである。&br; 退治方法も色々伝えられているが、とくに強力なものは無人島に追放するしかない(アドリア海には無人島がたくさんあるんです)。,[[../人狼]]、[[../サルコメノス]]、[[../ヴリコラティオス]]、[[../ティンパニアイオス]]
//,サルコメノス,Sarkomenos,ギリシア・キプロス,[[資料/344]]:,[[キーワード/吸血]],Σαρκωμένος, 吸血鬼をしめす名称のうちの一つ。その身体が肉付いて太り、膨らんで人々を驚かせることからサルコメノスという呼称がつけられた。キプロスなどで一般的であるが、キプロスでは他のギリシア地域で吸血鬼を意味するヴリコラカスがその原義である人狼として使われることがあるという。,[[../ヴリコラカス]]、[[../ティンパニアイオス]]
//,ヴリコラティオス,Vrykolatios,ギリシア・サントリーニ島,,,,,[[../ヴァンパイア]]、[[../ヴリコラカス]]
//,ゲロー,Gello,ギリシア・レスボス島,,,,,[[../ラミア]]、[[../ゲロウ]]
//,カウース,Kaous,ギリシア・ロードス島,,,, パンのような妖怪。,&br;
//,レギオン,Legiōn,キリスト教,[[資料/356]],[[キーワード/集団]],Λεγιων, レギオーン。&br; 人間に取り憑いていたが、イエスによって追い払われた悪霊の一群。&br; 『マタイによる福音書』第8章第23~34節、『マルコによる福音書』第5章前半、および『ルカによる福音書』第8章後半によれば&br; ある日、イエスたち一行はガラリヤ湖畔のゲラサ人(マタイではガダラ)たちの地方に着いた(ちなみに、この直前にイエスは突風・嵐を静めている)。すると、悪霊に取り憑かれているものが、イエスのところにやってきた。彼(マタイでは2人)は普段は墓場に住んでおり、非常に凶暴で、誰もそのあたりの道を通ることができなかった。この人は何度も足かせや鎖で縛られてはいたが、いつも鎖を引きちぎり、足かせを壊して荒野に行ってしまい、誰もこの人を鎖でつなぎとめておく事はできなかった。彼は昼夜問わず墓場や山で叫びまくり、石で自分を打ちつけていた。しかも裸。&br; はじめはこの悪霊に取り憑かれた人はイエスから離れたところにいたが、イエスが「汚れた霊、この人から出て行け」と言ったのでこのように言った。&br; 「かまわないでくれ。苦しめないでくれ。まだその時ではないのに(マタイ)」&br; そこでイエスはこの悪霊の名を尋ねた。すると、&br; 「名はレギオン。大勢だから」&br; という答えが返ってきた。レギオンはこの地から追い出さないでほしい、底なしの淵に行けと言わないでほしい(ルカ)、とイエスに懇願した。遠いところ(の山)で、豚の群れが餌をあさっていた。レギオンは、できればあの豚に乗り移らせてほしいと願った。イエスがそれを許すとレギオンはその人から抜け出て2000匹ほどいた豚たちの中に入り込んだ。ガダラの豚の群れは突如として暴走し、崖から落ちて湖で溺れ死んだ。その代わり、取り憑かれていた人は正気に戻って服を着てイエスの足元に座った。&br;&br; 語源はそのままで「大きな数量」。英語でもそのままlegionとして使われている。当時の用語としては、ローマの軍隊組織のなかの構成単位。歩兵を主体に騎兵を含む一種の軍団であった。新約の時代にはおおよそ5000人程度だったと考えられている。,[[ユダヤ教/ディブク]]、[[アフリカ/レゲウォン]]
*ギリシア・ローマ [#b3e3a616]
現在413項目。

古代ギリシア、古代ローマ時代の怪物、精霊、妖怪たち

ギリシアといえば[[./ケルベロス]]や[[ペガサス>./ペガソス]]、[[スフィンクス>./スピンクス]]などの神話上の怪物が広く知られているが、それに反して民間伝承中の妖怪たちはほとんど知られていない。たとえば[[./エンプーサ]]、[[./ラミア]]、[[./ゲロー]]、[[./アッコ]]、[[./アルピト]]、[[./モルモ]]などだ。~
また、ギリシア・ローマを通じて神話に登場しない怪物たち、たとえば[[./スコロペンドラ]](今のところ、[[竜とドラゴン:ムカデクジラ]]参照)や[[./グリュプス]]などもここに掲載するが、彼らの文化を引き継いだキリスト教文化で発展した場合は「[[西欧]]」の階層に入れてある。

毛色の変わったものとしては中世以降のギリシアの妖怪たちがいる。古代の神話があまりに有名すぎて中世以降のギリシアというのは非常に影が薄いのだが、そうしたなかにもきちんと妖怪たちの伝承ははびこっているのである。
**資料 [#idb2f234]
ギリシア・ローマの資料はほかの古代神話と同じく当地の言語で残されている。ホメロスとヘシオドスに始まり悲劇・喜劇詩人、哲学者たち、神話編纂者(mythographer)などなど、多くの作品が存在する。神話に関しては最も資料に恵まれた文化といっても間違いない。しかも多くの日本語訳がある。
**表記について [#q36af667]
古代ギリシア語とラテン語の固有名詞については、長母音を表記する方法と無視する方法の二種類がある(ヘーラクレースとヘラクレス)。ここでは、岩波文庫『イリアス』『オデュッセイア』、京都大学学術出版会からでている「西洋古典叢書」が後者の方法を採用していることにならい、項目名では長母音を無視している。~
……というのはタテマエで、じっさいのところ、どれが長母音になるのかよくわからないだけです。

その他については、カタカナ表記の慣例に従う。つまりたとえ紀元後に初出の固有名詞であろうが古典的発音で表記する、ということである。本当はアルカイック、コイネー、ビザンツ時代など時代によって相当発音が異なってくることがわかっているらしいので、それに準じた表記''も''すべきなのだろうけど(ダプネーにくわえてダフニ、など)、手元に資料がないので後回し。~
中世・近世のギリシア語についてはますます資料が少なくなってくるので、適当にしている。近現代ギリシア語については、できるだけ近現代的発音に応じた表記にするつもり(まだできてないけど)。

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