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古代ギリシア、古代ローマ時代の怪物、精霊、妖怪たち
ギリシアといえば./ケルベロスやペガサス、スフィンクスなどの神話上の怪物が広く知られているが、それに反して民間伝承中の妖怪たちはほとんど知られていない。たとえば./エンプーサ、./ラミア、./ゲロー、./アッコ、./アルピト、./モルモなどだ。 また、ギリシア・ローマを通じて神話に登場しない怪物たち、たとえば./スコロペンドラ(今のところ、竜とドラゴン:ムカデクジラ参照)や./グリュプスなどもここに掲載するが、彼らの文化を引き継いだキリスト教文化で発展した場合は「西欧」の階層に入れてある。
毛色の変わったものとしては中世以降のギリシアの妖怪たちがいる。古代の神話があまりに有名すぎて中世以降のギリシアというのは非常に影が薄いのだが、そうしたなかにもきちんと妖怪たちの伝承ははびこっているのである。
ギリシア・ローマの資料はほかの古代神話と同じく当地の言語で残されている。ホメロスとヘシオドスに始まり悲劇・喜劇詩人、哲学者たち、神話編纂者(mythographer)などなど、多くの作品が存在する。神話に関しては最も資料に恵まれた文化といっても間違いない。しかも多くの日本語訳がある。
古代ギリシア語とラテン語の固有名詞については、長母音を表記する方法と無視する方法の二種類がある(ヘーラクレースとヘラクレス)。ここでは、岩波文庫『イリアス』『オデュッセイア』、京都大学学術出版会からでている「西洋古典叢書」が後者の方法を採用していることにならい、項目名では長母音を無視している。 ……というのはタテマエで、じっさいのところ、どれが長母音になるのかよくわからないだけです。
その他については、カタカナ表記の慣例に従う。つまりたとえ紀元後に初出の固有名詞であろうが古典的発音で表記する、ということである。本当はアルカイック、コイネー、ビザンツ時代など時代によって相当発音が異なってくることがわかっているらしいので、それに準じた表記もすべきなのだろうけど(ダプネーにくわえてダフニ、など)、手元に資料がないので後回し。 中世・近世のギリシア語についてはますます資料が少なくなってくるので、適当にしている。近現代ギリシア語については、できるだけ近現代的発音に応じた表記にするつもり(まだできてないけど)。