ネルガルの14の悪魔


地域・文化:バビロニア


 ネルガルがエレシュキガルの夫となり冥界の王になった理由を物語る神話は2つあり、それはネルガルが、エレシュキガルが神々の集会に送った特使の前で立ち上がることを拒否したことから始まる。エレシュキガルはネルガルを呼び出して自分たちへの無礼の説明を求め、神々は天界からネルガルを追放することに同意した。その後、知恵の神エアは追放されたネルガルに14の悪魔の護衛を与えた。ネルガルはこの悪魔たちを使って地下世界の7つの門を差し押さえ、そしてエレシュキガルの部屋に入ると彼女の髪をつかんで床の上に投げ出した。ネルガルはエレシュキガルの喉元にナイフを突きつけたが、エレシュキガルは彼に対して自分の妻になるように求め、冥界の王になるよう懇願した。ネルガルはそれを受け入れ、冥界の王となった。ちなみにこの物語の資料はエジプトのテル・エル・アマルナ出土の二断片に記されたもの。
 この14の悪魔のうち12の名前が残っているが、多くが病気に関するものである。詳しい描写はないが、おそらく「名は体を表す」のだろう。
 ムタブリク、シャラブダ、ラビス、ティリド、イディブトゥ、ベンヌ、シダヌ、ミキト、ベル・ウプリ、ウンム、リブ、フルバシュ。

 別の集団ではあるが、ネルガルに属するものとしてアッシリアの皇太子(おそらくアッシュルバニパル)の夢に出てきたものがある。まずネルガルは玉座に座っており、双頭の槌鉾を持っていた。そして彼の周囲をナムタル、ナムタルトゥ、ムートゥ、シェードゥ・レムヌ、ムキール・レーシュ・レムッティ、フムト・タバル、エテンム、ウトゥック・レムヌ、シュラク、マーミートゥ、ベドゥ、アルルハップ、ミンマ・レムヌ、ムフタ、さらに名の知られていない2つの神、一人はアンズーの頭と手足であり、もう一人は人間の姿をしているものがいた。ちなみにこの物語は「冥界の幻影」と呼ばれ、アッシュール出土。

関連項目


参考資料 - 資料/284:;89:


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