*レヴィアタン [#d0b0489a]
CENTER:&size(25){Leviathan&br;לִוְיָתָן, Λευιαθαν};

地域・文化:ユダヤキリスト教

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 リウヤーサーン、リヴヤタン(Liwyāṯān)。~
 英語ではリヴァイアサンと呼ばれる。キリスト教圏で最も有名な怪物。

 旧約聖書『ヨブ記』では、神が自らの偉大さを説明するために、第41章をすべてレヴィアタンに割いている。~
 まず、神はレヴィアタンを人間が捕獲できるか、挑発できるか、殺せるか、といい、そしてすべてを否定する。この捕らえ方が鰐に似ているためレヴィアタンが鰐だという12節から、「わたしはこれが全身と、その著しい力と、その美しい構造について黙っていることはできない」と、レヴィアタンの容姿を説明し始める。~
 それによると、レヴィアタンは二重の鱗を持ち、鋭い歯をはやし、その背は盾の列でできており、鱗は互いに密接している。そして、鱗は堅くて剥がすことはできない。~
 さらに、レヴィアタンがくしゃみをすれば光を発し、その目はあけぼののよう、その口からは炎が吹き出ている。鼻の穴からは煙が出てきて、その息は炭火をおこす。その首には力が宿っており、心臓は石臼のように堅く、つるぎも槍も矢も、銛も、功を奏さない。~
 鉄を藁のように見なし、青銅を朽ちた木と見す。スリングの石も、レヴィアタンの前には藁くずのように無意味だ。~
 その腹は淵を鼎のように沸き上がらせ、海を香油の鍋のようにする。レヴィアタンが歩いた後には、光る道が残る。神は地上にこれ以上の生物を作らなかった。

 悪魔学では嫉妬を司る魔神といわれるようになった。また、クラーケンと混同されることもある。

 ウガリト神話に登場する竜リタンがレヴィアタンと同根の怪物であると考えられている。
 歴史言語学的にはレヴィアタン(リウヤーサーン)のほうが古いらしく、J・A・エマートンは*liwyatānu>*līyitānu>*lītānuと変化したという説を唱えている(([[資料/459]].))。

**関連項目 [#ndde496f]
-[[メソポタミア/ティアマト]]、[[西欧/タラスク]]、[[北欧/クラーケン]]、[[イスラーム、アラビア/ヌン]]、[[ユダヤ教/ジズ]]、[[ユダヤ教/タンニーン]]、[[悪魔学/『アブラメリン』の魔神たち]]、[[西セム諸族/リタン]]、[[西欧/ドラゴン]]、[[悪魔学/プティファル]]、[[アフリカ/レウィヤーターン]]、[[アフリカ/レワーター]]、[[アフリカ/レワタン]]
-[[メソポタミア/ティアマト]]、[[西欧/タラスク]]、[[北欧/クラーケン]]、[[イスラーム、アラビア/バハムート]]、[[ユダヤ教/ジズ]]、[[ユダヤ教/タンニーン]]、[[悪魔学/『アブラメリン』の魔神たち]]、[[西セム諸族/リタン]]、[[西欧/ドラゴン]]、[[悪魔学/プティファル]]、[[アフリカ/レウィヤーターン]]、[[アフリカ/レワーター]]、[[アフリカ/レワタン]]

-[[キーワード/ドラゴン]] [[キーワード/蛇]] [[キーワード/悪魔]]
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参考資料 - [[資料/356]]; [[資料/85]]:



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