*唐土の鳥 [#toudonotori]
CENTER:&size(25){Toudo no tori&br;とうどのとり};

地域・文化:日本

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 正月七日に中国からやってくるとされた怪鳥。正月の行事「春の七草」において、伝統的に歌われてきたまじないのなかにその名が見える。~
 「七草なずな、''唐土の鳥''と日本の鳥と渡らぬ先に……」

 「唐土の鳥」という語の文献初出は、「せり、なずな」から始まる七草の歌と同様に、室町初期の14世紀中ごろであり、藤原定家に擬せられた歌論書『桐火桶』(1363?)に「唐土の鳥と、日本のとりと、わたらぬ先に、七草なづな、手につみいれて、亢觜計張」とあるのが確認できる。とはいえ室町時代はほとんど知られておらず、江戸期になって全国に広まっていき、現在に至るようだ。

 「唐土の鳥」とは何かについてだが、これは「春の七草」の起源と考えられている行事を記した中国・梁代の『荊楚歳時記』(6世紀)に、同日夜に鬼鳥(鬼車鳥)という怪鳥が飛んでくるのを、床を打つなどして追い払う習俗が記述されており、この鬼鳥が(ほとんど形骸化したかたちで)日本に伝わったものではないかと考えられている。
**関連項目 [#related]
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