*ヘカトンケイル [#hekatoncheir]
CENTER:&size(25){Hekatoncheir, Hekatoncheires &br;Ἑκατόγχειρ, Ἑκατόγχειρες(pl.)};

地域・文化:古代ギリシア

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 100の腕と50の頭を持つ巨人たち。ヘシオドスの『神統記』によれば、ウラノスとガイアの間に、[[../キュクロプス]]たちの次に生まれたという。それぞれ[[../コットス]]、[[../ブリアレオス]]、[[../ギュエス]]と呼ばれた(後二者はアイガイオン、ギュゲスとも言う)。なお、この時点ではヘカトンケイルとは呼ばれず、単に「コットス、ブリアレオス、ギュゲス」と呼ばれていた。ホメロスの『イリアス』第1歌では「百の手を持つ怪物」(ヘカトンケイロス:Hekatoncheiros, Ἑκατογχειρος)ブリアレオスと呼ばれるが、これは神々による呼称であるという。人間はブリアレオスのことをアイガイオンと呼ぶのである(なぜ人間と神々で呼称が異なるのかは不明。なお、北欧には種族によってさまざまなものの呼称が違うというエッダが知られている)。アポロドロスの『ギリシア神話』ではキュクロプスの前に生まれたとされ、ヘカトンケイルという呼び名も使われている。~
 100の腕と50の頭を持つ巨人たち。ヘシオドスの『神統記』によれば、ウラノスとガイアの間に、[[../キュクロプス]]たちの次に生まれたという。それぞれ[[../コットス]]、[[../ブリアレオス]]、[[../ギュエス]]と呼ばれた(後二者はアイガイオン、ギュゲスとも言う)。なお、ヘシオドスの時点では彼らはヘカトンケイルとは呼ばれず、単に「コットス、ブリアレオス、ギュゲス」と呼ばれていた。ホメロスの『イリアス』第1歌では「百の手を持つ怪物」(ヘカトンケイロス:Hekatoncheiros, Ἑκατογχειρος)のブリアレオスと呼ばれるが、これは神々による呼称であるという。人間はブリアレオスのことをアイガイオンと呼ぶのである。アポロドロスの『ギリシア神話』ではキュクロプスの前に生まれたとされ、ヘカトンケイルという呼び名も使われている。~
 しかしウラノスは彼らの体力や容貌を妬み、キュクロプスらと共に縄で彼らを縛ってタルタロスに閉じ込めてしまった。しかし母親のガイアは納得することができず、ゼウスらオリンピアの神々に勧めて彼らを解放させた。その結果、彼らはオリンピアの神々とティタンたちとの間の戦争では神々の側につき、見事勝利を収めた。彼らは大地より途方もなく離れている地下のタルタロスに閉じ込められたティタンたちを見張る役目を負わされた。~
 その後、コットスとギュゲスはオケアノスの上に館を構え、ブリアレオスは美しかったためポセイドンが養子として迎え、キュモポレイアと結婚した。

 神話学者のジョルジュ・デュメジルの想定していたところでは、キュクロプスとヘカトンケイルは印欧語族の主権神の特徴である隻眼と隻腕の古い名残なのかもしれないという。ギリシアの場合、腕は逆に増えたということである。またアーサー・クックはヘカトンケイルに腕が多いのは太陽の放射線象徴であり、一つ目であるキュクロプスは太陽そのもののことであるとした。
**関連項目 [#ndde496f]
-[[../ブリアレオス]]、[[../ギュエス]]、[[../コットス]]、[[../キュクロプス]]、[[../ケンティマヌス]]

-[[キーワード/巨人]]、[[キーワード/多腕]]、[[キーワード/多頭]]
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参考資料 - [[資料/192]]:; [[資料/22]]:; [[資料/292]]:; [[資料/280]]:309-317

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