*エピファギ [#d0b0489a]
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地域・文化:博物誌

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 無頭種族の一つ。~
 エピファギ(Epifagi)という表記は『ハドリアヌス帝への書簡』(8-10世紀)の一写本に見える。そこでは「ブリソン河のある島には頭のない人々がいて、胸部に眼と口がある。背丈は九尺あり、幅は八尺で、エピファギと呼ばれる」と述べられている(([[資料/968]]:208.))。別の写本にはただ「頭のない人々」(homines sine capite)とだけある。細かい違いとしては、身長が12尺で幅が7尺とあり、体色は黄金のようだ、と書かれている点が挙げられる(([[資料/968]]:208-209.))。また、二つ目の写本と内容的にほぼ同一の記事が『皇帝の閑暇』にもある(([[資料/145]]:158.))。ただし、こちらにも具体的な種族名は記載されていない(『プレモンの書簡』と『皇帝の閑暇』の二つについては、前後の文脈もほとんど同じである)。
 エピファギ(Epifagi)という表記は『ハドリアヌス帝への書簡』(8-10世紀)の一写本に見える。そこでは「ブリソン河のある島には頭のない人々がいて、胸部に眼と口がある。背丈は九尺あり、幅は八尺で、エピファギと呼ばれる」と述べられている(([[資料/968]]:208.))。別の写本にはただ「頭のない人々」(homines sine capite)とだけある。細かい違いとしては、身長が12尺で幅が7尺とあり、体色は黄金のようだ、と書かれている点が挙げられる(([[資料/968]]:208-209; [[資料/969]]:513.))。また、二つ目の写本と内容的にほぼ同一の記事が『皇帝の閑暇』にもある(([[資料/145]]:158.))。ただし、こちらにも具体的な種族名は記載されていない(『プレモンの書簡』と『皇帝の閑暇』の二つについては、前後の文脈もほとんど同じである)。

 『怪物の書』I.24にも同様の記述があるが、「ギリシア人はエピフギ(Epifugi)と呼ぶ」とされている。彼らの背丈は八尺あり、頭部はそっくりそのまま胸部にあるが、眼だけは肩についているという。写本によってはエピスティギ(Epistigi)、エピストギ(Epistogi)になっているものもある(([[資料/491]]:272-273.))。『東方の驚異』§15(ラテン語版および古英語版)も数値以外はほとんど同じことを述べているが、名称は書かれていない(([[資料/491]]:178, 192-193.))。

 エピファギは、頭部が胴体にあるという点では[[ブレミュアエ>ギリシア・ローマ/ブレミュアエ]]に似ているが、肩に眼があるという点で異なっている。セビーリャのイシドルスも『語源論』XI.3.17でブレミュアエと肩に眼のある種族(無名)を区別している(([[資料/499]]:XI.3.19.))。なお、「眼が肩」という点に着目してみると、プリニウスもクテシアスの引用として『博物誌』VII.23に、インドには頭がなく眼が肩についている人々がいると書いている(([[資料/967]]:520-521.))。
**関連項目 [#ndde496f]
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-[[キーワード/怪人]] [[キーワード/無頭]]
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参考資料 - [[資料/24]]:

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