*スキアポデス [#d0b0489a]
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地域・文化:博物誌

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 ギリシア語で「影脚」という意味。~
 プリニウスが引用するクテシアスによると、インドには脚が一本しかない種族がいる。彼らはモノコリと呼ばれ、驚くべき速さで跳躍する。同じ種族をスキアポデスともいう。なぜなら、酷暑の折、彼らは仰向けに横たわり、一本足を影にして日差しを避けるからである(『博物誌』VII.23)(([[資料/967]]:520-521.))。~
 中世初期のセビーリャのイシドルスはラテン語「スキオポデス」(Sciopodes)、ギリシア語「スキオポダイ」(Skiopodai, Σκιόποδαι)という綴りで紹介し、この怪物たちは(インドではなく)エティオピアに住むと言われている、と述べる。ここでもやはり彼らの俊敏さが特記されている(『語源論』XI.3.23)(([[資料/499]]:XI.3.18.))。

 モノコリ(monocoli)という別名はしばしば「一つ目の人」([[キュクロプス>ギリシア・ローマ/キュクロプス]]など)を意味するモノクリ(monoculi)と混同されたようである(([[資料/970]]:18.))。たとえば「ヘレフォードの世界地図」では、一本足の人のところにモノコリではなくモノクリと書かれている(([[資料/983]]:37.))。~
 モノコリ(monocoli)という別名はしばしば「一つ目の人」([[キュクロプス>ギリシア・ローマ/キュクロプス]]など)を意味するモノクリ(monoculi)と混同されたようである(([[資料/970]]:18.))。たとえば1300年ごろに書かれた「ヘレフォード図」では、一本足の人のところにモノコリではなくモノクリと書かれている(([[資料/1050]]:30-31.))。~
 また、1247年ごろの『世界の像』('''l'Image du monde''')はインドの種族としてキュクロプスを紹介しているが、その特徴として、日差しよけに十分なほど幅の広い一本足を持っている、と書いている。ただしこの点についてはモノクリとモノコリの混同ではなく、依拠したホノリウス『世界の像について』('''De imagine mundi''')第1巻第12章「怪物について」の読み間違いという説もある。ホノリウスは次のように述べる。「また、モノクリとアリマスピとキクロペスがいる。またスキノポダエがいるが、彼らは一つの大きな脚で風のごとく走り、地面では、その脚を持ち上げて自分がその影に入るようにする」(([[資料/980]]:124.))。彼はキクロペスについて何の説明もせず、スキアポデスについては説明をしている。このどき、両者の取り違えがあったのではないかという説である(([[資料/971]]:40, 112.))。

下の画像はwikimediaより。『ニュルンベルク年代記』(ドイツ、1493年)。~
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c8/Nuremberg_chronicles_-_Strange_People_-_Umbrella_Foot_%28XIIr%29.jpg/268px-Nuremberg_chronicles_-_Strange_People_-_Umbrella_Foot_%28XIIr%29.jpg
**関連項目 [#ndde496f]
-[[ギリシア・ローマ/ステガノポデス]] [[インド/エーカパーダ]]

-[[キーワード/怪人]] [[キーワード/隻脚]]
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参考資料 - [[資料/24]]:

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