ヌーン†
Nūn
地域・文化:アラビア
イスラームの伝説において、大地を支える魚のこと。語源はシリア語のヌーナー「魚」(nūnā)。
アッ=タバリー『諸国史』I.48がイブン・アッバースの伝承として伝えるものによると、アッラーは原初のとき、筆を創造し、次いで蒸気を持ち上げて天を創造(分離)したあと、ヌーン(魚)を創造して、大地をその背中に広げて設置した。ヌーンが震えると、大地も揺れ動いた。しかし、ヌーンは山々によってつなぎとめられた。それゆえに『クルアーン』の筆の章は次のように始まるのである。「ヌーン。(天上の)筆にかけて……。また(天使らの)書きしるす(記録)にかけて……」*1。
のちの../バハムートやクジャタにあたる巨獣である。
関連項目†
参考資料 - 資料/1009:218-219