アスピドケロン†
Aspidochelone, Aspidochelon, Aspidodelone
地域・文化:西ヨーロッパ
アスピドケローネ。
別名:ファスティトカロン(Fastitocalon)。
島と見まごうほどの巨大な亀。古い時代はアスピドケロン~亀だったが、時代が下るにつれてファスティトカロン~鯨というように変化していった。
アングロサクソンの『フィジオロゴス』によれば、ファスティトカロンは巨大な鯨であるという。その姿は荒石のようで、大きな海藻類が背中の周りに生え、まるで小さな島のように見える。そこで船乗りたちは、船をアスピドケロンに留め、上陸し、キャンプを張る。彼らは焚き火まで燃やし、一休みしようとする。そこに至るまで、アスピドケロンは何もしない。しかし焚き火が燃やされて、船乗りたちが安心して島で休んでいるのを知ると、一気にその巨大な身体を海の中に沈みこめ、船もろとも船乗りを海中に引きずり込んで殺してしまう。
また、アスピドケロンは、餌をとるときにまず大きく口を開く。するとその口から快い香りが漂い海の中に広がっていくので、ほかの魚たちはその臭いに釣られてこの怪物の巨大な口の中へと入ってくる。かなりの魚がおびき寄せられたところでアスピドケロンは突然口を閉め、そして獲物を食べてしまう。この習性はクラーケンにおいても知られるもので、実際に存在するマッコウクジラの分泌する竜涎香とも関係があるとも言われている。
他の地域の同様な存在についてはクラーケンの項目参照。
関連項目†
参考資料 - 資料/197:; 資料/82:; 資料/200: