セイレーン

Seirēn
Σειρην

地域・文化:古代ギリシア


 セイレン。
 複数形セイレーネス(Seirēnes、Σειρηνες)。
 鳥の下半身に女性の上半身の妖怪。集団で海におり、その美声でもって船乗りを誘惑し、死に至らしめる。オデュッセウス一行もこの化け物集団に出会ったが、乗組員は耳にロウをし、オデュッセウス自身はマストに体を縛り付けたため、なんとか危地を脱出することに成功した。誘惑に乗らなかった船乗りが多すぎて自尊心が傷つき、自殺したとも言われている。

 ヨーロッパ中世では、下半身が魚となるのは8世紀ごろが最初である。それからしばらくの間、セイレーンの存在は信じられていた。
 初めてセイレーンが人魚型であるとされたのはアルドハイム作『さまざまな種類の、怪物の書』(Liber Monstrorum de Diversis Generibus)で、7~9世紀ごろのラテン語の書である。『怪物の書』第1書第6節には次のようにある*1

セイレーン(pl. Sirenae)は海の少女たちで、途方もなく美しいその容姿と甘い歌声で船乗りたちを欺く。
頭からへその部分までは人間に似ていて乙女の身体だが、鱗のある魚の尾があり、それで常に海の中に潜んでいる。

関連項目


参考資料 -


*1 資料/491:262-63.

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Last-modified: 2015-12-06 (日) 18:09:17