ファネシイ

Fanesii, Phanesii

地域・文化:ローマ


 プリニウスの『博物誌』4.95によると、黒海のさらに東方にファネシイという島があって、そこに住む人々は非常に巨大な耳を持っている。その耳は、彼らの身体全体を覆えるほど大きいという。その他の点でファネシイの人々は裸身である*1。ソリヌス(『特筆すべき事物の集成』19.8)もだいたい同じことを述べている*2。彼のばあい、写本によってフェネシイ(Phenesii)、ファンネシイ(Fannesii)などバリエーションがある。
 セビーリャのイシドルスは同じ種族のことをパノティイと呼んでいる。

 ポンポニウス・メラは『地誌』第3巻56で、ヨーロッパ北方の島にいる種族として、ヒポポデスとともに「サンナリ人」(Sannali)を紹介している。彼らはやはり耳が身体を覆いつくせるほど巨大なので、衣服が必要ない*3。 英訳などではPanotiiとなっているが*4、P・パローニが述べるように*5、これはおそらくもともと現地語だったのだろうし、あえて語形が全然違うイシドルスにテクストを「修正」する必要はないだろう。

関連項目


参考資料 - 資料/24:


*1 資料/967:192-193.
*2 資料/984:93-94.
*3 資料/988:164-165.
*4 資料/989:117.
*5 資料/988:412; 資料/990:356. Cf. 資料/991:491-492n.

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Last-modified: 2013-09-26 (木) 08:50:53