タムテ

Tamthe

地域・文化:バビロニア、ギリシア


 オアンネスの原典でもある、バビロニアの神官ベロッソスの『バビロニア誌』(ギリシア語で伝わっている)における、『エヌマ・エリシュ』のティアマトに対応する存在。
 ベロッソスによれば、原初のときは、すべてが闇と水におおわれていた。そこから、まず、奇妙な姿の怪物たちが誕生した。
・翼のある人
・4枚の翼で2つ顔がある人
・男女双頭で両性具有な人
・山羊の角と脚がある人
・馬の脚がある人
・ケンタウロスのような人
・人面の牛
・魚の尾に4つの体のある犬
・犬頭の馬
・頭と体が馬で、尾が魚
・その他様々な生き物
・ついでに魚、トカゲ、蛇、などなど。
 これらの怪物たちは、ベールの神殿に飾られている。彼らを支配していたのがオモルカという女である。オモルカはカルデアの言葉ではタムテというが、これは「海」という意味になる。
 ベールはこの女を2つに切り裂いた。そして片方を大地にして、もう片方を天空にした。さらに、彼女のなかにいた怪物たちも壊した。

 ダマスキオスと同じくベロッソスも『エヌマ・エリシュ』についての詳細をかなりの程度そのままに残している。怪物たちのリストは『エヌマ・エリシュ』とは異なるが、これは実際にマルドゥク(ベール)の神殿に彫られていた怪物たちの彫刻や壁画を参考にしたからだろう。

関連項目


参考資料 - 資料/297:


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