サタン†
Satan
שָׂטָן
地域・文化:ユダヤキリスト教
シャーターン(Śāṭān)。
言わずと知れた、ユダヤ/キリスト教最大の悪魔。
旧約聖書では、神の手下で、あえて人間を誘惑して信仰心を試す天使として登場するが、時代が下るにつれて、人間の敵から神の敵へと変わっていった。天地創造のときは最も権威のある存在として神に寵愛された熾天使であった。しかし、ある理由により彼は神に刃向かうことになる。例えば、神よりも自分のほうが偉大だと考えて反乱を起こしたとか、アダムとエヴァに反抗して地獄に落ちたとか、神学者によって説は様々である。
なお、堕天前は「明けの明星」ルキフェルと呼ばれていた、とも考えられている。「明けの明星」は、旧約聖書『イザヤ書』で天から落ちた存在とみなされており、悪魔と「明けの明星」を結びつけたのはオリゲネスの『諸原理について』である(その後、「明けの明星」はラテン語のルキフェルとしてラテン中世世界に広まっていく)。さらに、中世ヨーロッパの民衆の間では、サタンとルキフェルは別物として扱われることもある。今でもその関係はかなりややこしい。
サタンが地獄で何をしているかというと諸説があり、堕天して大地の真中に突き刺さり、そこから動けないままでいるとか(ダンテ『神曲』など)、様々な形態をとって地上に現れ悪魔に指示をしているとか言われる。
関連項目†
参考資料 -